中古マンションのリノベーションで後悔しないためには?費用がどのくらいかかるかを確認することが重要です

2013年「2020年夏季オリンピック東京都開催地決定」が追い風となり、投資家の注目を集め首都圏の土地価格の上昇が顕著となりました。近年、この物件の価格の高騰とコロナ禍で在宅ワークが増えた影響で、郊外に住まいを持つ方の割合が増えています。同時に土地価格の上昇率トップは1位浦安2%、2位浦和1.7%、3位市川市1.7%と都心より郊外の上昇率が高くなっています。


Withコロナによる新しい生活スタイルからの働き方を踏まえても、このスタイルがどの程度定着するのか不明で、この価格上昇がどこまで進むのかが不透明な状況となっています。広さを求めて『郊外に住まいを持つ』ことを決断される方も多いと思いますが、お子様が成人をして独立されるまでの将来を考えたとき、その選択肢は正しいといえるでしょうか?




≪目次≫

1.お子様の将来を考えた場合、住まいは郊外でいい?

2.リノベーションで近郊に住まいを

3.リノベ済み物件のメリットとデメリット

4.中古を購入してリノベーションの魅力

5.中古物件を購入する際の注意点

6.こんな理由で購入を諦めていませんか?

7.リノベーション参考プランと費用

8.中古物件の購入とリノベーションを成功させるために



1.お子様の将来を考えた場合、住まいは郊外でいい?


都内の大学であっても学部によってはキャンパスが郊外にあるケースも多く、お子様の進学を考えた場合、自宅から通学できる大学や専門学校などは都心の方が断然数が多く、就職に関しても選べる企業の数やスキルアップのための教室も充実しているので、自宅から通勤してスキルアップのために教室に通うことも可能です。


進学や就職までのお子様の将来を考えたとき、進学や就職など選択肢の多さという面で、中古を購入してリノベーションまたはリフォームをするという選択も必要です。






2.リノベーションで近郊に住まいを


「2021年度 住宅市場動向調査」(国土交通省)によれば、売主によるリノベーション・リフォーム済み物件と買主によるリノベーベーション・リフォーム物件を合わせるとマンションの場合78.9%、一戸建の場合69.3%の割合でリノベーションまたはリフォームが実施されています。中古住宅は不安という方も多いかと思いますが、11年以上の物件では7割以上、築10年以内でも約3割の物件でリノベーションまたはリフォームされています。今では中古住宅のリノベーションやリフォームは特別なことではありません。


リノベーション済みの物件や中古物件を購入してリノベーションをする場合は、新築に比べ安く購入することができるので都心に快適な住宅を所得することも可能です。





3.リノベ済み物件のメリットとデメリット


①メリット

リノベーション済みの物件は、間取りだけでなく仕上がった状況を実際に目で見て購入できることが最大のメリットです。また、物件の引き渡しを受けてからすぐ引っ越しができるので、今住んでいるところの家賃などの費用負担が少なく済みます。




②デメリット

5年~10年程度の築浅の物件であれば心配はありませんが、給水配管の劣化による漏水の危険性や戸建であれば柱や土台などの構造的な部分の腐食などによる劣化の心配などがあります。不動産会社が中古物件を買取って再販売するためにリノベーションされた物件の場合、実際には見えない部分などは修繕されず、そのままのケースが多いのが実情です。配管や柱、土台といった部分の修繕には必要以上に費用がかかり後からできないことが多いので、見えない部分も考慮する必要性があります。




4.中古を購入してリノベーションの魅力


規格化された万人向けの住宅の場合、住まいに自分の生活スタイルを合わせる必要性がありますが、リノベーションでは自分好みの住空間に変えることができるので、ご自分の生活スタイルに合った快適な住まいにすることができます。


リノベーションについて細かく対応をしてくれる会社なら、工事の進行状況に応じて工事内容の詳細確認や変更希望なども聞いてくれるので、より希望に合った住まいにすることが出来ます。また、リノベ済み物件では見えない壁裏や床下などの状況も確認できるので長期的に見ても安心です。





5.中古物件を購入する際の注意点


①維持管理にかかる費用も考えた長期的視点が必要

不動産は価格の変動による資産としてだけではなく、建物の維持管理などのにかかる負債としての資産という側面も持ち合わせています。仮に空家となっても建物のメンテナンスには費用がかかり、固定資産税の支払いも必要となります。何らかの問題があり売却することができず、建物の維持管理が大変な場合でも、国は寄付としてその物件を受け取ることは無いので、持ち主がその負担を背負い続けることになります。物件を購入する際は、建物を維持管理する長期的な視点が必要です。




②中古戸建の購入で気を付ける点

戸建住宅の場合は、建て替えや売却まで長期的な視点で検討する必要性があります。建て替えに関しては建築基準法上の道路に2m以上接している必要がありますが、不法に建てられた再建築不可物件や道路には接しているけれど不法に増築している不適格建築物。前面道路が狭く建て替えの際は前面道路を拡張する必要性がある物件など、よく調べてから購入する必要があります。先に述べた再建築不可の物件は、文字通り建て替えができない物件となり、同時に売却も難しい物件となります。不適格建築物や前面道路が狭い場合は、いまと同規模の建物が立てられません。建て替えの際どの程度の規模になるのかも併せて考える必要性があるので注意が必要です。




③中古マンション購入で気を付ける点

マンションの場合、外壁の塗り替えなど建物のメンテナンスは、マンションの所有者で構成された管理組合で行います。通常はマンションの管理をサポートしてくれる管理会社が入り、修繕計画を立てて費用の積立をしています。大規模修繕など積立金が不足する場合は、修繕積立金が増額となることもあるので住宅ローンの支払い金額は余裕を持つことが必要です。修繕積立金が酷く不足している場合や銀行などからの融資がいただけない場合は、修繕が後回しにされ老朽化が進み建物全体がゴースト化してしまい、売ることさえ難しくなってしまうケースなどもあります。マンションを購入する際は『過去の修繕が計画通りに行われているか』『今後予定している大規模修繕などの計画を踏まえた積立金になっているか』が重大な注意点となります。





6.こんな理由で購入を諦めていませんか?


①キッチンを対面にするのは難しい?

マンションなどは配管や換気ダクトの問題で『対面キッチンにするのは難しい。』といわれることが多いのですが、いまどきのキッチンはリフォームにも対応している商品があるので簡単に諦めてはいけません。建物の構造だけでなく商品にも詳しいリノベーション会社なら、壊してみないとわからない部分などの影響も含めたプランも考えてくれます。



②浴室を広げる費用は高い?

1日の疲れをとるために浴室は『足を延ばして入浴できるものにしたい。』と思われる方が多く、住宅を選ぶポイントの一つにもなっています。『お風呂を広げることができますか?』という質問に対して、『できる。できない。』ではなく『解体が伴うので高いですよ!』といった不安にさせるような言葉を投げかけてくる不動産仲介会社の方もいらっしゃいます。洗面室側に広げる場合、10万円程度の増額で済む場合もあるので、あきらめる前にリノベーション会社に相談をしてみましょう。




7.リノベーション参考プランと費用


【お風呂サイズUPとLDK広びろリノベーション】

1日の疲れを癒すためにお風呂はこだわり、1216サイズから1616サイズに20cmサイズUPしました。ソファーを置くと狭くなってしまうリビングダイニングは、和室の間仕切り壁を撤去して広びろリビングにリノベーション。キッチンは下がり壁と袖壁を無くしてスッキリとした開放的な空間にしました。


≪ビフォアー≫


≪アフター≫

60㎡3LDKマンション492万円(税込み)

【工事概要】浴室の隣室押入を解体して1616サイズにサイズUP、和室は洋室に変更、キッチンと下がり壁と袖壁を撤去して開放的な空間にリノベーション/浴室:TOTO WYシリーズ1616 Tタイプ/キッチン:LIXIL シエラ225cm(食洗機付き)/洗面化粧台:パナソニック シーラインW=75cm/トイレ:TOTO ピュアレストQR+ウォシュレットS1A/LDK・洋室(1)(2)・廊下、フローリング張替え/内装ドア・クローゼット扉・玄関収納・窓枠交換/全室クロス張替え



【家事楽らくリノベーション】

リビングドアを介さずに家事ができるよう、リビングドアの位置を変更しました。洗面室は帰宅後廊下側からも使えるよう廊下側の物入を撤去しドアを設置。キッチンは室内の様子が見えるように間仕切り壁を撤去して、家事がスムーズにできるようリノベーションしました。


≪ビフォアー≫


≪アフター≫

90㎡3LDKマンション 538万円(税込み)

【工事概要】リビングドア位置の変更、キッチンとリビングの間仕切り壁を撤去、廊下物入を撤去して廊下側からも洗面室が使えるようドアを設置、和室は洋室にしてリビングとの間は壁を造り個室にリノベーション/浴室:TOTO WY1418サイズ/キッチン:既存再利用/洗面化粧台:LIXIL L.C.W=120cm+サイドキャビネットW=30cm/トイレ:TOTO GG1/LDKフローリング張替え/内装ドア交換/全室クロス張替え



【子育て安心対面キッチンリノベーション】

子供の様子を見ながら家事ができるように、対面キッチンにリノベーション。リビングにはお子様の宿題スペースを設置。洗面室はリビングドアを介さずに出入りできるので、家事動線も同時によくすることができました。和室はリビングの延長として使えるように洋室にしました。


≪ビフォアー≫


≪アフター≫

70㎡マンション3LDK 659万円(税込み)

【工事概要】間仕切り壁を撤去し対面キッチンに、和室を洋室にリノベーション/キッチン:クリナップ ラクエラ フラット対面(食洗機付き)244cm /ユニットバス:TOTO WY1418サイズ/洗面化粧台:LIXIL ルミシス(フルスライド・3面鏡)W=110cm/トイレ:TOTO ネオレストRS1タイプ(手洗いカウンター付き)/旧和室・LDK、フローリング張替え/内装ドア交換/全室クロス張替え




8.中古物件の購入とリノベーションを成功させるために


①構造的な部分と建築基準法などの観点から

『希望に合ったリノベーションが可能か?』また、将来老築化して建て替えが必要となった場合、『建て替えが可能か』『建替える際の規模はその程度になるか』なども調べる必要があります。宅建業者は建物の構造的なことや建築基準法についてはそれほど詳しく無く、リノベーション業者なども建築基準法に関しては詳しくないことが多いので、建築士などの専門家に相談することをお薦めします。




②リノベーションにかかる適切な費用の算出

物件探しの際、リノベーション費用について不動産会社の方がサービスで概算見積りを取ってくれるケースなどは、大まかな検討の目安になりますが『実際に希望通りのリノベーションが可能か?』『具体的な見積り金額?』となると、リノベーション会社に希望を伝え現地を観てみてもらう必要性があります。また、工事内容や見積りが適正な価格かを判断するためには、最低でも3社以上はお見積りを取る必要があります。




③不動産的側面から購入していい物件か?

例えば維持管理の負担が大きくなり売却が必要になるなど、不動産的側面から売却も含め長期的な目線で購入していい物件かを判断する必要性があります。例えば再建築不可の物件や立替の際規模が極端に小さくなってしまうような物件などは売却が困難なため避けなければいけません。





★ご案内★

三浦建築設計事務所では、宅地建物取引士資格と建築士の資格を持った者が、物件選びからリノベーションまでトータルにサポートします。物件選びでは不動産の仲介を生業としていないので、売主および仲介不動産会社との間に利害関係が無く、純粋に『お客様の希望に合ったリノベーションが可能な物件か?』『購入していい物件か?』を判断させていただいています。また、お客様から依頼があれば物件探しのお手伝いもさせて頂いております。不動産の販売が目的ではないので、購入するまでしつこく電話をするといったことは無いのでご安心ください。