フルリフォームやリノベーションは、全体的な予算を抑えながら自分だけの理想の空間を作るために魅力的な方法のひとつです。しかしながら、フルリフォームやリノベーションは十分な知識がないと、想像していた仕上がりにならなかったり、使い勝手がよくなかったり、余分な費用がかかってしまったりなどの失敗をする可能性もあります。この記事では、フルリフォームやリノベーション初心者が失敗しないために知っておくべき3つのポイントについて紹介します。
≪目次≫
・リフォーム・リノベーションのメリット
・リフォーム・リノベーションのデメリット
・失敗しないために知っておきべき3つのポイント
・よくある質問
・まとめ
【リフォーム・リノベーションのメリット】
新築よりコストを抑えることができる
リフォームやリノベーションをする場合、建物の状況によりますが建物の骨組みなどの構造体などが使えるので新築よりコストを抑えることができます。
キッチンや浴室などの水回り設備やフローリング、内装などフルリフォームする場合で新築に比べ30%~40%程度。間取りの変更、水回り設備、フローリングや内装などフルリノベーションの場合でも20%~30%安く済むことも多くあり、新築よりも安い費用で理想の住まいを手に入れることも可能です。
住まい選びの選択肢が増える
希望する居住エリアで希望通りの新築の戸建やマンションを探すのは易しいことではありません。特に都心部にあっては多くの方が希望する新築の戸建やマンションを見つけることが出来ずに希望する条件の多くを妥協して決めてしまう方も多いのではないでしょうか?
ただし、リフォームやリノベーションを前提とすれば、中古の戸建やマンションを購入することも選択肢となり、リフォームやリノベーション費用を含めても新築と比べ多くの場合安い予算で希望の条件をクリアすることも可能です。
自分好みの住空間を手に入れることができる
注文住宅を建てる場合は別ですが、分譲住宅など万人向けに画一化された住宅を購入する場合は、住まいにご自分の生活スタイルを合わせる必要性が出てきます。小さなストレスでも毎日のこととなると積み重なってその負担が大きくなり疲弊してしまうことも・・・。
リフォームやリノベーションをすることで、ご自分の生活スタイルに合った住空間を手に入れることが可能です。
【リフォーム・リノベーションのデメリット】
建物の耐久性に不安が残る
リフォームやリノベーションをする場合、建物の耐久性については不安が残ります。特に地震に対する強度については地震が多い日本において重要な事項となります。
1981(昭和56)年6月に建築基準法で耐震基準の大幅な見直しが行われました。それ以前に建築確認を受けた物件で、この耐震基準を満たしていないものは耐震補強なども含めて検討する必要性があります。
耐震補強を前提としたリフォームやリノベーションをする場合、建物の状態によっては新築よりも費用がかかってしまう場合もあります。
希望通りの間取りにできないことも
耐震などの問題で構造上解体できない部分などがありご希望通りの間取りにできない場合があります。キッチンやユニットバスなどの水回り設備においても排水配管や換気ダクトなどの問題で設置位置が変えられない場合があるので注意が必要です。間取りの変更や水回りなどの設置位置の変更が可能か不明な場合は、建物の構造と設備に詳しい建築士にご相談することをお薦めします。
必要以上に費用がかかることも
築年数の古い建物の場合などは、柱や土台などがひどく痛んでいたり、給排水の配管が古いままで配管が劣化しているなどの場合は必要以上に費用がかかることもあります。老朽化などで著しく建物の状態が良くない場合は、建て替えやほかの物件を探すなど慎重に検討する必要性もあります。
【失敗しないために知っておくべき3つのポイント】
1. 予算の確定
フルリフォームやリノベーションを開始する前に、予算の確定が重要となります。フルリフォームやリノベーションの費用は、予算を設定する前に複数のリフォーム・リノベーション会社へ見積もりを依頼し、最終的な費用を確認することが必要です。
予算を決めるためには、キッチンやお風呂などの設備機器の選定、壁紙やフローリング材などの素材の選定だけでなく、壁紙やフローリングなど仕上げだけのリフォームにするのか、床下や天井裏など劣化した下地の修繕を含めたリフォームにするのかで予算が大きく変わりますので、建物の築年数によっては劣化状況による修繕にかかる費用なども考慮する必要があります。
2. プランニング
フルリフォームやリノベーションを行う際には、プランニングが重要となります。プランニングとは、キッチンやお風呂などの設備機器の仕様や壁紙やフローリングなどの素材の選定をしたり、部屋のレイアウトやキッチンやお風呂といった設備器具の配置、収納スペースの配置や生活動線や家事動線などを考えることです。
プランニングを行う際は、生活動線を考慮した間取りと家具の配置、使いやすさを考慮した収納スペースの確保、家事動線を考慮した水回り設備機器と生活家電の配置にすることが大切です。また、自分のライフスタイルに合ったデザインや素材を取り入れることによって、生活動線が良くなり家事なが楽になるだけでなく、癒しの空間を演出することが出来ます。
子育て世帯の場合は、子供の成長による生活の変化に対応するため、家具配置の自由度や間取りの変更の自由度なども考慮したプランにすることも併せて考えましょう。
3. 専門家の協力
フルリフォームやリノベーションを成功させるためのは、専門家の協力が重要となります。専門家には、建築士やインテリアコーディネーターなどの資格を持った人たちがいます。専門家は間取りやキッチンやお風呂など設備機器の配置などのプランニングだけでなく、キッチンやお風呂など設備機器の仕様の選定やフローリングや壁紙などの素材の選定など相談にも乗ってくれます。
専門家によっては、見積り内容の確認やアドバイスだけでなく、リフォームやリノベーションの工事管理を請け負ってくれる場合や直接工事を請け負ってくれる場合もあります。
フルリフォームやリフォームやリノベーションは、全体的な予算を抑え、自分たちだけの空間を作り上げることができる素晴らしい方法です。しかし、フルリフォームやリノベーションは失敗する可能性もあります。本記事で紹介した、1.予算の確定、2.プランニング、3.専門家の協力、以上3つのポイントを押さえて、失敗しないフルリフォームやリノベーションを行いましょう。
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【よくある質問】
1. フルリフォームやリノベーションの費用はどのくらいかかりますか?
フルリフォームやリノベーションの費用は、工事内容や仕様によって異なります。予算を決めるためには、複数の会社に見積もりを依頼し、自分たちが希望する工事内容や仕様がどもまで反映されているかをきちんと確認し、予算がオーバーしている場合は、工事内容に優先順位を付け最終的な費用を決定することが必要です。
2. フルリフォームやリノベーションにはどのような手続きが必要ですか?
建物の種類や規模によって異なりますが、建築基準法や都市計画法に基づいた手続きが必要となる場合があり、申請や許可が必要になる場合もあります。特に増築や改築を予定している場合には事前に確認が必要です。
マンションによっては、管理組合へ工事の届け出が必要な場合があります。また、マンションの管理規約で工事内容や仕様などに制限が設けられている場合があるので、事前に管理会社へ確認して置きましょう。
3. フルリフォームやリノベーションの工期はどのくらいかかりますか?
リフォームやリノベーションの工期は、工事の内容や規模によって異なります。キッチンやお風呂の交換など水回りのリフォームとフローリング、壁紙の張替えなど特に間取りなどの変更がないフルリフォームで2か月程度、柱や梁などの骨組みだけの状態からのスケルトンリノベーションで3ヶ月~4ヶ月程度かかります。
フルリフォームやリノベーションの場合、見積依頼から施工店の選定を経て着工までに2月~3ヶ月程度、工事の完了までを考えると最低でも4ヶ月~半年程度かかりますので、見積依頼から工事の完成までは余裕を持った計画とすることが大切です。
4. プランニングにはどのようなことを考慮すればよいですか?
プランニングには、キッチンやお風呂などの設備機器の情報収集、部屋のレイアウトや設備器具の配置、収納スペースの確保だけでなく、使いやすさなども考慮したプランニングとすることが必要です。
子育て世帯は自由度のある家具の配置、使いやすい収納の確保、生活動線を考慮した間取りと家電の配置、予算などを考慮して自分たちのライフスタイルに合ったプランニングを行いましょう。
5. 専門家に依頼する場合、どのような専門家を選べばよいですか?
フルリフォームやリノベーションには、建築士やインテリアコーディネーターなどが適しています。リフォーム・リノベーション会社の営業マンや建築関係の職人=リフォームやリノベーションの専門家として適しているとは限らないので注意が必要です。
工事内容や工法など、はじめての方にも解りやすく内容の説明が出来、仕上げに使用するフルーリングなどの素材の特徴やお手入れ方法、キッチンやお風呂などの設備機器選定のためのアドバイスなどをきめ細やかにしてくれる方を選びましょう。
専門家によっては、プランニングだけではなく、フルリフォームやリノベーションの工事管理を請け負ってもらえる場合やプランニングから工事全般まで一貫して請け負っている場合もありますので、事前に相談してみましょう。その場合でも、見積りは数社から取り寄せて比較をすることをお薦めします。
【まとめ】
リフォームやリノベーション工事には専門的な知識と豊富な経験が必要となります。間取りなどを変更する場合はもちろんですが、キッチンや浴室などの住宅設備を変える場合でも配管などの問題をクリアする必要性があるので注意が必要です。
建物の構造や設備について専門知識のある建築士などに相談することで、未熟な工事業者による着工後の度重なる計画変更や工期の大幅な遅れ、想定外の追加費用の発生などを防ぐことができます。
工事完了までの期間は余裕をもって計画することも大切です。工事内容など詳細確認や精査をする時間を取ることができないまま工事の契約を締結してしまった場合、契約後の仕様変更や計画変更に応じてもらえない。予定以上の追加費用が発生するなどの問題が出る可能性が高くなります。工事完了までの期間に余裕を持つことでこのようなトラブルを防ぐことができます。
≪工事完了までにかかる期間の目安≫
1.見積りを複数社取る場合、見積りの入手に1ヵ月~2ヵ月
2.施工業者選びに2~3週間
3.工事契約から着工まで3週間~1ヵ月
4.工事着工~工事完了まで中規模な工事2か月~4ヶ月程度、大規模な工事で3ヶ月~4ヶ月程度かかります。
打ち合わせなどの時間が十分に取れない場合は、さらに1ヵ月~2か月程度余裕を持つことが必要です。
工事内容の詳細や住宅設備機器の性能など、不明な点はそのままにしないで納得がいくまで相談および打ち合わせをすることが大切です。相談や打ち合わせを重ねることで見えなかった問題が見えてくることがよくあります。新たなプランを立て問題点に取り組むことで、より満足が行く仕上がりにすることができます。
例えば棚板やハンガーパイプの高さ、コンセントの位置など細かな部分まで打ち合わせをしてくれる業者選びが大切です。
リフォームやリノベーション工事においては、耐震性などの構造的な問題における解体の可否の判断。キッチンやユニットバスなどの水回りについて希望する製品の設置の可否等について的確な判断が必要となります。また、現場の状況に合わせた製品や仕様などの提案をする必要性もあり、製品についての知識も必要となります。
リフォームやリノベーションは新築の住宅等を建てるより難しく、豊富な経験と専門知識は必須事項となります。
建築基準法において建物を建築する場合、『建築士である工事監理者を定めなければならない』と規定があり、新築の場合は建築士の資格を持った者が工事管理を行いますが、リフォームやリノベーションではそのような法的な決まりがないため、専門知識が乏しく未熟な工事業者や建築以外の分野から参入する工事業者なども存在しており工事業者選びには注意が必要です。
経験と専門知識がない工事業者の場合、着工後に度重なる計画変更が必要になり工期が長引く、予定以上に追加費用が発生するといったこともあります。このようなトラブルを避けるためにも建築士などの専門家に相談することも併せて検討することが必要です。
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★ご挨拶★
三浦建築設計事務所は住宅に特化したリノベーションおよびフルリフォーム工事を得意としています。作業動線を考えた間取りのご提案はもちろん。使いやすさや掃除のしやすさなど、家事や育児などの大変さを実際に経験した女性建築士だからこそできるご提案は工事をしていただいた皆様からご好評をいただいております。お住まいに関するお悩みなど、ご遠慮なくご相談ください。